街を歩くその先々で眺める風景や、ふと手にとったペンで描く線や形、または自分の何気なく選んだ今日の服装も、大切な個性や自己決定であり自由です。私たちリベルテは、障害のある人々とともに、そんな「何気ない自由」や「権利」を尊重できる社会や人、そして関係づくりを進めていきます。
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NPO法人リベルテは、2013年に柳町自治会の築200年を超える古民家を借りて、障害福祉事業所「スタジオライト」の運営を開始しました。当初は週に1回の土曜日だけ開かれていたアトリエでしたが、障害を持つメンバーのために、毎日アトリエのドアを開けました。当時、スタッフの黒岩がお弁当を自分たちとメンバーの分もつくって一緒に食べました。
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ここでは自由に絵を描いていいんだ
現在、2023年10月にできた事業所「1の人100の言葉1000の時間」では就労支援の一環でアトリエの給食をつくって、メンバーがつくっているお昼をメンバーが食べています。
活動初期に参加していたメンバーの一人、井出勝利さんは、黒岩の手作り弁当を「不味い」と言いながらも楽しそうに食べていたことが思い出されます。井出さんは2015年11月17日に突然自宅で亡くなりましたが、彼がアトリエで黙々と絵を描いていた姿は、他のメンバーに「ここでは自由に絵を描いていいんだ」という安心感や希望を与えてくれました。支援者が伝えるまでもなくアトリエだと伝わりました。それなのに代表は見学にきた支援者に「支援者さんはどこですか?」とよく聞かれます。
また、著名な著書のタイトルにもなりエピソードが紹介された書『がんばらない』を書いていた西沢美枝さんも、現在はリベルテのアトリエに通っています。毎朝缶ジュースを買い、眠くなると畳に寝転んだり窓辺のソファでうたた寝をします。仕事中なのに。仕事中だからこそ。アトリエに温かく穏やかな空気をもたらします。前職の職場でも一緒だった代表は彼女にとって「かわいい」気になる存在のようです。ヒゲモジャメガネ大男なのに。美枝さんが午後の日差しを浴びながら静かにうたた寝をするアトリエは、まるで幸福感で満たされているかのように感じます。横では黙々とポエムを作詩する人、人生日記を書く人もいます。そこにはライフワークがあります。
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スタジオライトのアトリエには「ダジャレ」を書き合う掲示板があり、「HOPEの会」と言う名の一回消えかけた(「希望」なのに!)自治活動が毎月第1土曜日に定期開催されます。オナラのマネで盛り上がるメンバーたちや、オラクルカード占いをするメンバーは常連の相手には手作りのメッセージが込められたブレスレットを渡します。アトリエに通う道すがら「怖い」と言われたメンバーは、スタッフの子どもが遊びに来ればまるで自分の孫のように優しい笑顔で声をかけます。
障害はどこにあるのでしょう。
「リベルテの記事の新聞読んだよ」「あの人いつも挨拶してくれるのよ」「余った野菜食べる?」「あのスタッフの彼はいるかい?」「おはよう」「こんにちは」「またあったね。」
時々人生を照らしてくるような光は案外、気にかけてくれる何気ない言葉や偶然の出会いだったりします。一方で、辛く苦しいことが続き、仲間はずれにされた経験が積み重なると、心に「陰」をつくります。 しかし、その陰は正しさの光から心にある「言葉にならない大切なこと」を守ってくれます。 そうやって自分を守ってきたメンバーに出会うことがあります。 ある尊敬する人の受け売りだけど、そういう意味では表現とは「傷」です。 「傷」や「欠損」、「障害」、そして「陰」から表現が生まれ、固定化された価値観を揺るがし反転させてくれる。 突然、目前に現れた壁でも、思わず絵を描いてしまえば壁画になる。
私たちは、この小さな日常、出会い、そして表現の中にも、未来を変える力があると信じています。リベルテでは、メンバー一人ひとりと関わる人々との間に生まれる表現と、その先に広がる新たな可能性や景色を一緒に見つめていきたいと願っています。